Hurly-Burly 【完】

サユリちゃんは彼女の足を見て悲しそうな

顔をして彼女を心配そうに気遣う。

「日和、ごめんね。」

彼女はケロっとした顔で笑った。

「何を言ってますかー。

さーちゃん、かっこよすぎだよね。

見惚れるくらい超カッコイイじゃないか。

あたしはドジってすっ転ぶとかぶふふっ」

彼女の良いところはたくさんある。

意識はしてないのだろうけど、気付くたび

彼女はすごい子だと思い知らされる。

「とりあえず、消毒しなきゃだな。

ひーちゃん、他に怪我したところは?」

転んだところは見たからな。

「もっくん、ごめんねー!!

すごいデブでしょ。

重いよねっ、歩けるから降ろしていいよ。」

あ、こういうところは良くない。

「もっくんって言うの?

何か、リラックマみたいな感じ。

さっきはどうもありがとう。

日和のことお願いしていい?」

サユリちゃんとは初めて話した。

「あ、サユリちゃんも来る?」

サユリちゃんは彼女に笑いかける。

「フライドチキンだっけ?」

いきなりなんだろうと思った。

「うん、そうそう!

5本買ってきてもらえるだろうか?」

彼女は目を輝かしてサユリちゃんに答えた。

「もっくん、悪いけど本当に日和のこと

頼んでもいい?

あたしは、この子の買い物済ませたら

あの教室行くから、消毒とかの面倒見て

くれる?日和、ほっとくとそのままにし

兼ねないからお願いね。」

「任せろ。」

彼女のことを任された俺はサユリちゃんに

手を振ると足早にいつものところに向かった。

その間、彼女は何とも間抜けだった。

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