Hurly-Burly 【完】

もっくんと呼ぶ彼女はやっぱり軽い。

「もっくん、すごい力持ちだね!!

人力車乗ってるみたい。

本当に重くない?あたしお昼食べすぎちゃって

マジで重かったら降ろしていいからね?」

彼女の食べ過ぎはきっと嘘だろう。

そうじゃなきゃ、この軽さの説明が

つかない。それと、人力車って・・・

「ぐへっ」

勢い出し過ぎたか?

「ひーちゃん、しっかり捕まって。」

だけど、首だけは絞めないで欲しい。

「ひぃぃっー、もっくん!!」

彼女は絶叫状態だった。

「イカンよ!!

これはもうもっくんを軽くナメてた。

もっくん、足早くないっすか?」

俺はこの性格だからな。

美男にもからかわれる。

でも、運動は得意の方だ。

「ひーちゃん、軽い。」

さっきから、自分のことデブとか

言ってるけど軽すぎだと思う。

「ま、ままっままさか!?

全然重いでしょうよ。

でも、何かもっくんって落ち着くよね。

クマさんみたいで頼りがいあるのに

何か可愛いキャラでさっ。

そういえば、さっきはすごかったね。

もっくんって強くてカッコイイね。」

そんなに褒めても何も出ない。

ひーちゃん、いつもゲームしてると

容赦ないじゃないか。

クマみたいだと言われたのは初めてかも

しれないけど、そう言われたら喜ぶべき

なのだろうか?

カッコイイと可愛いね。

そんなことも初めて言われたな。

ひーちゃんと一緒に居ると初めてな

ことが多い気がする。

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