Hurly-Burly 【完】

佐藤君は中々やる男だった。

次から次へと測定が終わって行き、

身長が伸びたと喜んでたり、縮んだと

泣き真似する奴らがチラホラ居た。

それでもスムーズ且つ迅速な対応を

してほぼお任せした。

「ぎゃー、縮んだ。」

「この測り壊れてるっつうの。」

ああ、煩いよ。

非情に迷惑極まりないよ。

ここの学校の先生は働く気が

あるんだろうか?

全て生徒に擦り付けちゃいないか?

記録をするのは委員長の役目らしい。

先生の姿が全く見当たらない。

男子は佐藤君、女子はあたしが記録する。

「ヒヨリ、疲れてるよ。」

サユがにっこりと笑う。

もうその笑顔癒しだし。

女神様にしか見えなくなってきた。

「ううん、大丈夫。」

このクラス、女子が少ないのは

気のせいだろうか?

男子が終わらなくてあたし

のところまで来やがった。

「お願いしまーす。」

ナル君が可愛らしく身長計の上に乗る。

「168センチだね。」

ナル君が神妙な面持ちで紙を手にする。

そして、あろうことかナル君はぴょん

ぴょんうさぎさんのように飛び跳ねて

あたしに抱きついてきた。

「のわっ」

びっくりして固まる。

どうしたんだこの子?

いきなり、何があった!!

「伸びたー!!」

そっか、ナル君だけ一際身長に

差があったものね。

気にしていたのね。
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