Hurly-Burly 【完】

確かに他のメンツは抜群のスタイルに

あの顔とは世の中酷いものだ。

神様は配当を間違えているよ。

不公平すぎると思うよ。

「良かったですね。」

ナル君に抱きつかれてることはさておき、

素直に喜んでる彼が可愛くて仕方なかった。

「うん!」

可愛くてしょうがないこの子の引き取り手

が見つからない。

「ナル、こっちおいで。」

やっぱり、馨君なんていい人なの!!

あんた、お助けマンだよ。

正義の味方アンパンマンもビックリの

あたしの味方だよ。

「はーい。」

そして、馨君の言うことを守るナル君

可愛いすぎて・・・鼻血が・・出る。

いきなり前途多難と思いきや本当に

あっという間の午前中だった。

他のクラスもどんどん回っていくらしい。

午前中はずっと健康診断だから、

早めに終わったあたしたちクラスは

これから自由時間だ。

「ヒヨリ、お呼びだよ。」

あたしがクタクタになりながら教室に

戻るとサユが横を見て笑ってた。

「何でしょうか?」

そして、にこにこ笑うナル君に

ドキリとした。

「サユちゃんもおいでよ。」

はぁ?

どうして、ナル君がサユの名を!!

「いや、あたしはいいや。

けど、用が終わったらヒヨリ

返してね。」

ひらひら手を振るサユを見つめる。

ひ、人でなし!!

あたしを売ったなと思いながら

サユを見つめると苦笑いしたサユと

目があった。
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