Hurly-Burly 【完】

馨君の言ってることはもっともなんだけど、

常識範囲内なんだけどその言い聞かせる

ような言い方といい。

「ひぃぃぃぃぃ、集団暴行だ。

これはリンチされてお金を要求されるんだ。

ボコボコのボロ雑巾となって笑われるんだ。」

残酷な未来予想図を予知したあたしは

ナル君の腕を振りほどいて全力疾走で・・・

「いてぇ」

猛突進のイノシシ状態で誰かとぶつかった。

今の呻き声はあたしではない。

あたしはすごくピンピンしてる。

「ひぃぃぃい」

オレンジブラウンの彼が床に倒れ込んでた。

ひ、人をやっちまったみたいだ。

きゅ、救急車を呼ばねば・・

この人死んでしまう。

「だ、誰か助けて下さい。」

セカチューばりの演技を見せるあたし。

これが破壊力。

世に言う人身事故!?

せめてもの供養はした方がいいのかもしれない。

「お、お経を唱えねばっ」

南無阿弥陀仏。

天国に行ってもそのたんこぶが残りませんように。

神様と出会ってもこの人が頭を打ったショックで

踊りだしませんように。

「何、手を合わせてんだっ」

そして、金髪ヤンキー再び現るだ。

「ぎゃははは、ち、ち、ち・・が・・ゴホッ」

咳込むぐらい笑い出す変人が・・・

「ちー、たんこぶ出来てんじゃん。」

そして、魔人フェロモンがあたし

の前を囲むわけで・・・

「ぎゃー、これは悪夢だ。

覚めろ、夢に毒されるなヒヨリ!!」

頬を叩いても痛みしか変わらない。

夢なんてものじゃなかった。

知らない間に大暴露したあたしの

必殺技にかなりの不信感を抱かれたようだ。
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