Hurly-Burly 【完】

すぐに追ったさ。

行先なんてたった一つだったからな。

アイツが連れて行きそうなところなんて

当たり前にあそこだと駆けだした。

教室を出ていくナルに続いて走った。

あの変な女のせいで俺様が走るとは

思わなかった。

これで2度目だと次会ったら小突いてやるさ。

そんで、言ってやる。

手伝えなんてお前が言わなくても手伝わせろ

って言ってやる。

迷惑そうな顔したって気にしてやれそうに

ねぇんだ。

お前が苦しそうに仕事してたの見てた

癖に何も出来なかった。

ナルが扉を壊しそうな勢いで入って行く。

「おいおい、コラ!

人の職場を壊すなオラッ」

黒髪の額に汗を光らせる

白衣の男は紛れもない今朝

あったムラタで、アイツの

悪友だってのは知ってる。

「ひーちゃんが起きちまうだろうが!!」

ベットに寝かされた女が寝息を立てて

静かに眠っていた。

「ったく、追って来るなよ。

面倒なことになっちまうじゃないの。」

そして、ベットの横のパイプ椅子に

足を組んで座るアイツが笑った。

「んでっ、笑ってんだよ!!」

殴りかかりそうなナルを抑え込む。

コイツは暴走魔だ。

すぐにカッとなるコイツのスットパー

が・・来ねぇ。

「しょうがねぇじゃねぇの、笑うっきゃ

ねぇだろ?」

頭が可笑しいヤツに唸るナルを羽交い絞め

にして抑え込む。

ここで暴れたら女が危ねぇ。
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