Hurly-Burly 【完】
そして、いきなりベットから出ると
思いきや、ハッとした顔で時計を見つめる。
「た、大変、お得市が始まってしまうわ。
こんなことしてる場合じゃない。
急いで行かねば、出遅れちゃうじゃないの!!
それじゃ、どなたが存じ上げませんが
ご迷惑おかけしましたわ。」
黒に近い茶色が混じった髪が夕日に染まる。
セミロングの髪を靡かせて颯爽と消え去る。
意外と背が小さかったんだと今になって
気付いた。
「ったく、アイツ面倒なこと押しつけやがったな。
逃げ足だけは早いことこの上ねぇな。」
相沢が煙草の灰を村田が出した灰皿に落とす。
学校で煙草なんて吸っていいわけねぇ。
俺だって吸ってるが、こんなに堂々と
生徒の前で吸ってるセンコーが居て
たまるかと思った。
「っで、説明しろよ。」
千治が妙に機嫌悪そうだ。
眠そうな目を擦りながら、
彼女が去ったドアを見つめる。
「それはこっちのセリフだな。
何連れ回しちゃってくれてんだ?
まぁ、遣いにやった俺が何を
言ってもしょうがねぇな。
100%俺の責任だな。
さーちゃんの親父怖いんだよね。」
それに頷く村田。
ひーちゃんだのさーちゃんだの
この人たちの会話が通じない。
「大体、さーちゃんは怖すぎる
ったらしょうがない。」
村田のヤツ全然話す気ないだろうな。
「血は争えねぇな。
なぁ、そうだろう?
お前だってそう思わねぇか?」
千治を挑発するような瞳といい、
コイツは俺らを邪険にするセンコー
とは違うと思ったがどうもそれも
外れかもしれないな。