Hurly-Burly 【完】

もう後ろにどさんこさんだわ。

尻もち付くこと覚悟でケツに力を入れる。

そうせなら受け身で華麗な転がり方して

やるわよ。

「いてぇ」

す、す、す・・・まないよ。

その綺麗なお顔が真下でびっくりだよ。

転がる準備をしてたら後ろから座布団

のように下敷きになってくれた人が・・

「血、・・・・・血だ!!!

大変だ、ここにはやっぱりスパイが!?」

「落ち着け!!」

ド金髪が声を張り上げた。

オレンジブラウンの髪が擽る。

彼の手から血が出ていることに

衝撃の展開だった。

どうやら、地面に転がってた

鋭い石が原因らしい。

「いてぇ。」

うん、二度言ったな。

「ご、ごめんね。

えっと、こういう時は・・」

アタフタしててパニックだった。

男の子に怪我させるとは何たる

失敗をしたんだ。

ポケットからお気に入りの黄色の

ひよこさんが可愛く歩いてる絵の

ハンカチを取り出してそれと一緒に

これまたひよこさんの可愛い絆創膏

を取り出した。

「見せて、うわー痛そう。

ごめんね、あたしのせいだよね。

痛いの痛いの飛んでけー。

ちちんぷいぷいどっか行けー。」

ハンカチで千治君の手の傷口を

押える。

「水で一回洗おう?

ばい菌入っちゃう。

急がねば、早くっ!!」

さっき一瞬だけ眉を顰めただけで

今は余裕そうに血が滴り落ちるのを

茫然と見てる千治君。

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