ユキノカケラ
気付けば優が私の前に来てしゃがんでいる。


「それで?」


私は優の顔を見なかったけど、多分…。


「…せ、先生に暴力受けたんよ。髪を切られて、殴る蹴るで…。めっちゃ怖かった。」


私はギュッと目を閉じた。

すると、優が私の両手を握った。


「この学校は大丈夫。俺の髪でOKなんやし。」


そう言って、歯を見せて笑った。
私も笑顔になった。


「そやね。
…でも…そのときから…。」


再び私の顔が曇った。


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