『最後にあなたを好きになってよかった』
【2】馬鹿神
気が付くと俺は、上からグシャグシャになった2台の車を見ていた。
車の周りには、心配そうに見守る人々や、携帯で写真をとる人もいた。
俺は、ただ漠然とその様子をみていた。
『あの、トラックのヤロー、殴らねーと気がすまねー!!』
振り向くとそこには、二人の男が立っていた
一人は40前後の背広を着た男性、学生服を着ている男の方はあのトラックを睨みつけている。
『あのー、こんにちは・・・』
ここでこの挨拶があっているのか、いないのか分からないが、とにかく話しかけてみる
『あっ、どーも、こんにちは、災難でしたね、我々は』
と背広の男が話す
『はー、そうですね、あのー、もしかして、我々は死んでしまったのでは?』
とりあえず、疑問に思ったこと言ってみた
『そうみたいですね』
背広の男は淡々と話す
こんな暢気なことでいいのか?!
なんて思ってたら、上から声がする
『やけに、落ち着いておるのー。』
上を向く、そこのは白い長ヒゲを生やした老人が立っていた。