『最後にあなたを好きになってよかった』
彼女はコートに手を入れ俺を覗き込みながら聞いてくる
『梶原君はずーっと一人暮らしなの?』
『えっ、ああ・・・・もう慣れたよ、一人暮らしは』
ふーっと、吐息を上に吐きながら空をみる
俺は、ポケットに手を入れてなかった
それがいいのか、悪いのかわからないが、左手が急に温かくなった
『寂しい?』
そう言って、彼女は俺の左手を右手で握り上目使いでこちらを覗いた
!!!!!!・・・・・・・・っ/////
あなたはなぜそんなに愛しいんだ?
それとも寒かっただけなのか?
そんなに俺が寂しそうに見えたのか?
どちらでもいい、俺が寂しいから先生として握ってくれたとしても構わない
ただ、あなたのこの温かい手を握れるなら、なんだっていい
俺は何も話さずただ手を握ったまま、無事に彼女を送り届けた