D i a r y
おれはずるい人間だと思う。
雨がおれを受け入れない筈がないと知って、
雨を求めた。
寒いけれど、まだ雪は降っていない、
そう呟いた雨が、
何もしらない雨がひどく悲しくて
おれは雨に触れた。
鼻は低いし、顔は丸いし、
べつに美人じゃないのに
どうしてだろう。
なにより可愛くて、
なにより綺麗だと思った。
この女が欲しいと、
男として、人間として思った。
暖かだった。
愛おしかった。
こんな身体でできるのかも
本当は不思議だったけれど
雨と重なった時、おれは無様にも泣いた。
なんで泣くの、
とたずねた雨だって、泣いていた。