D i a r y


時々、弱い一面を垣間見た。


明るく強そうな
見た目やふるまいの裏に

驚くほど繊細で

脆弱な心を持った女だった。

どこまででも優しく、

他者のことばかり考えていた。

自分を蔑ろにする傾向にあった。

時に静かに泣き、震え、

うずくまる雨を

腕のなかに抱きながら、思った。


このかよわい生き物を守りたい、

守らなければと。



まるで、妹や娘のように思った。







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