D i a r y
彼女は、おれを失う。
おれは、彼女を失う。
離れ離れになるだけならまだいい、
いつかまた交わる可能性があるのだから。
でももう、けして交わらないのだ。
雨は、生きてく。
おれは、死んでく。
もう一度、雨を抱きしめた。
雨を守らなければと思った。
雨を生かさなければと思った。
だから、聞こえないように呟いた。
「さよなら」
雪が、降り出したのを見ながら
いつまでも雨の髪を撫でていた。