D i a r y
宣告されたときからちらついて、
思い出さないよう必死だった。
「言わん」
「は?」
「雨には、言わん。言うてもどうもならん。
やから黙っといてや、譲二も。頼むで」
この短い時間で、結論は出していた。
日本にいる、一番大切な人には
このことは告げないこと。
「せやけど、お前」
「ええねん。俺が決めたことや」
おれは、きっぱりと言った。
「おう、コレ買ってきてくれや」
譲二にメモを渡して、部屋で独りになる。