初雪といっしょに見守ってる



よく考えてみると、俺って自分のことばっかだったんだな。


“雪乃に幸せになってもらいたい”
て思ってながら、自分の幸せ第一だった。



「そろそろ授業が始まるみたいだね。」


「暇になるな。」



ゴロリと寝転がり、目を閉じる。
空から「また寝るのー?」と言われそうだが、気にしない。


暇なら寝るしかない。
だって、寝たら身長伸びるし。



『ねぇ由季ちゃん。』


『なに?雪乃。』


『…えへへ、なんでもないよ?』


『なんだそりゃー!!』



テレたように笑う雪乃。
いつだっけ?
あぁ、付き合い始めたばっかりの頃かな。


名前を呼ばれるだけで嬉しくなったあの頃…。


今じゃ“懐かしい”



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