初雪といっしょに見守ってる



スッとすり抜けるような喪失感。


しかも、最後は俺の願いまで言っちまった。
…いっか。
母さんたち、最近は笑ってるし、雪乃に会うとさらに笑ってる。


…でも、それは、雪乃が結婚すると、もう母さんたちのとこにこない。


“義母親”は2人もいらないもんな……。



そー考えると、雪乃はいつか俺の墓前にも来なくなるだろう。
俺を思い出すこともないだろう。


誰もが俺を上手に“過去”にかえてゆく。
これほどまで悲しいものとは…。



「由ー季♪」


「空!美空ちゃんどうだった?」


「笑いながらうなずいてくれた!♪」



嬉しそうにピースをする空が、ちょっとうらやましく思えた。
なんでか分からないけど…とてつもなく。



< 23 / 59 >

この作品をシェア

pagetop