初雪といっしょに見守ってる
スッとすり抜けるような喪失感。
しかも、最後は俺の願いまで言っちまった。
…いっか。
母さんたち、最近は笑ってるし、雪乃に会うとさらに笑ってる。
…でも、それは、雪乃が結婚すると、もう母さんたちのとこにこない。
“義母親”は2人もいらないもんな……。
そー考えると、雪乃はいつか俺の墓前にも来なくなるだろう。
俺を思い出すこともないだろう。
誰もが俺を上手に“過去”にかえてゆく。
これほどまで悲しいものとは…。
「由ー季♪」
「空!美空ちゃんどうだった?」
「笑いながらうなずいてくれた!♪」
嬉しそうにピースをする空が、ちょっとうらやましく思えた。
なんでか分からないけど…とてつもなく。