初雪といっしょに見守ってる



空の上の温度が変わることはない。
ほどよい温もりだ。


地上は今猛暑。



俺が雪乃を見てられる時間は残り325日。
雪乃…雪乃は、あと325日で、幸せになる?



「地上はそろそろ夏祭りだねぇ…。」


「あー…そーだな。」



空の上にいるせいか、忘れかけていた夏の風物詩。


雪乃の浴衣姿…生きてる頃に見たのは一度だけ。



「しかし…雪乃ちゃんに片想いしてるあの少年…むくわれないね…。」


「あぁ…夏目凪って奴?“好きだ”ていうオーラは出てるんだけどな。なにせ雪乃が鈍感だから。」



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