初雪といっしょに見守ってる
そう、雪乃の幸せはすぐそこ。
雪乃が鈍感?
いや、違う。
雪乃が気づかないふりをしてる。
俺はなんとなく見てたらわかる。
雪乃、目で夏目凪って奴を追ってる。
でも、“俺への罪悪感”で“好きじゃない”て思いこんでる。
雪乃、幸せになっていいんだよ?
好きになっていいんだよ?
ていうか、幸せになってよ。
「そーいや由季、夏の思い出って?」
「うっ……。」
「?なんかあんの?」
「夏ねぇ……俺、バスケの練習ばっかで。」
そ、夏休みだろうが、バスケ部に休みはない。
デートしてあげたかったけど、できなかった。
だけど、雪乃が毎日バスケ部員に差し入れ作ってきたり、マネージャーの手伝いしたりしに来てた。
だから、プチデート気分みたいな。