初雪といっしょに見守ってる
「だって!俺、ただ電車乗ってただけなんだよ!?
美空と会うために、久々にっ…! そしたら、いきなり電車、揺れて…。
頭に激痛走って…っ、手ぇ血だらけ…! …気づいたらここだよ。」
かなり眉を寄せ、悔しそうな顔を見せていた。
だけど、言い終わるとニコッと微笑む。
その笑顔に、疑問さえ浮かんだ。
「もう、すんだことだから、仕方ないけど…ね。」
「…しかたなく、ない。ないから。
会えないっていうのは、かなり悲しいから。悲しいから…。」
強がらないで。空。
悲しいにきまってる。
自分が悪いわけじゃない。
一瞬のことなのに、愛しい人に会えなくなるのは、とても悲しいから…。
「また、いつでも話していいからな。」
「ありがと。由季もまた話してな。」