初雪といっしょに見守ってる



でも、睨みつけるくらいならいいかもな。



「うおっ、悪寒!」


「おかん?」



俺が睨みつけた夏目凪は、ブルッと体を震わせた。


霊感があんのか?



「んじゃあ、花火までは自由行動ねっ!」



女バスの子のかけ声で、ゾロゾロと人は動き出した。
雪乃は美空ちゃんと行動を共にし始める。


そのおかげで、俺も空も動きやすかった。



「夏目凪って子、あんまり積極的じゃないねぇ…。」


「まぁな。」



あの性格なら、どんどん雪乃に近づくかと思ってた。
でも、今は女の子たちに囲まれ、ヨーヨーつりをしている。


風船かのように揺れるピンク色のヨーヨーを、誰もが「ほしい!」「ちょーだいっ!」と欲しがった。


でも、夏目凪は「ダーメッ♪」と上手くかえす。


きっと、雪乃にあげるんだろうな……。



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