初雪といっしょに見守ってる



『わぁ!水色のヨーヨーだぁ!雪みたいで可愛い!由季ちゃん、ありがと!』



雪乃と行った最初で最後の夏祭り。


俺がとったヨーヨーを雪乃にわたすと、雪乃は子供のようにハシャいで喜んだ。



『永久保存のしかたとかないかな!?』


『馬鹿だなぁ、雪乃は。
永久に残らないから、綺麗なんだろ?』


『………そっか。そーだよね!』



一瞬悲しそうな表情を浮かべた雪乃だったけど、すぐにパァと明るくなった。


割らないように大事にヨーヨーを握る雪乃。


また来年も見るんだろうと、心の中では思ってた。


……違う形で、見てるから。



「…ダーリン!」


「えっ?!」


「またあの顔してたぁ…。」


「ごめんごめん。」



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