初雪といっしょに見守ってる
困ったように頬を膨らませてた空にでこピンをする。
空は悲しくないの?
美空ちゃん、目の前にいて、ここは夏祭りで。
思い出すこと…たくさんあるんじゃない?
1回しか来なかった俺でも、胸が溢れてる…。
「あ、あれっ?!」
あたふたし始めた雪乃。
よく見ると、美空ちゃんが隣にいない。
空は「美空んとこ行ってくる!!」といなくなった。
…さて、雪乃はどうするんだろう…。
方向音痴な雪乃が探し回るとは考えられない。
「新橋?」
「…っ夏目君…。」
雪乃の前に現れた夏目凪は、手にピンク色のヨーヨーを持っていた。
「どーしたの?」
「美空ちゃんと、はぐれちゃって…。」
「そうなの?道の真ん中いたら、邪魔なるよ。…ほら、向こうの端、行こ?」