初雪といっしょに見守ってる



ギュッと手を握り、雪乃と端に行く夏目凪。


少し恥ずかしそうな、嬉しそうな、でも気まずそうな表情を雪乃は見せた。



電灯で照らされてた花壇に、雪乃と夏目凪は腰をおろす。



パァーンッ



「あっ、花火……。」



色とりどりの大輪の花が夜空に咲いた。


それを眺める雪乃と夏目凪は夏祭りに来たカップルのようだった。



「………っ……。」


「どうした?新橋。」


「…あ、いや、あの、その…。」



言い訳のが苦手な雪乃は、口ごもった。



「いる?」


「………ううん…いらないよ…。でも、ありがとうね。」



眉を下げ、ニコッと笑った雪乃。
夏目凪は「そか……。」と悲しそうに笑った。



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