初雪といっしょに見守ってる
まだ伝わってくる雪乃の心の叫び。
空が「きっと、大丈夫だよ。」と肩を叩いてくれた。
その優しさが、今はいちばん嬉しく感じた。
「…夏目君!どこっ??!」
声を張り上げた雪乃。
道行く人は、みんな雪乃を見る。
でも雪乃は、そんなのかまうものか、という顔で涙を拭いた。
シンシンと降り始めた雪。
雪乃の髪に触れては、ジワッととける。
「新橋!」
「………夏目君…!」
さっき拭いたばかりの目から、また涙を溢れさせ、雪乃は夏目凪に抱きついた。
「よかった…よかった…。」と嬉しそうに、安心したみたいに言いながら。