同級生-Memories-
半年近く付き合っていた1個上の彼氏に、別れ話を持ちかけたら激しいケンカになったらしくて。

何とか逃げ切ってやってきたのが俺の部屋だったらしい。


きっと、俺の気持ちに気が付いていた岡島は、俺に助けを求めて来たんだと思った。

…俺に対する気持ちが、友情でしかなかったとしても、それでいいと思ったんだ。


「私ね、飛田君のことが好きになったから別れたの」


翌日の朝。

俺の貸したシャツを着て恥ずかしそうにそう告白した岡島を、俺はぎゅっと抱きしめて。


「俺は、ずっと岡島が好きだったんだ」

「…うん」


知ってる、そう続きそうなその言葉は、俺のキスでふさがれて耳に届くことはなくて。

試験を翌日に控えた俺たちは、どうしようもなくて。

学校を1日さぼり、何度もお互いの温度を確かめ合った。

翌日の試験は、自分でもびっくりするくらい調子が良くて。

まあ、それまで自分でそれなりに努力をしたからだろうけど。

岡島も同じようにそれなりの成績だったらしく、お互い気持ちよく夏休みを迎えることが出来た。

岡島の元彼の先輩はサークルをやめたらしくて顔を見ることはなくなったけど。

俺たちのことを知った周りのメンバーは誰を責めることもせずに祝福してくれた。
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