同級生-Memories-
夏のサークル合宿はキャンプへ行くことになり、カップルはペアでテント、シングルや相手が参加していない人は男女別のテントで、といった感じでかなり盛り上がった。

サークル以外にも岡島と二人で旅行へ行ったり、海へ行ったり。

バイトもそこそこにとにかく忙しい夏が過ぎて行った。


新学期が始まってからも俺たちの関係は順調で、付き合う前から仲が良かったのもあって周りからも冷やかされることもなく。

バイトを始めた岡島と時間のすれ違いも少なく、1日1回は顔を合わせるようにしていた。

クリスマスには二人きりで奮発して夜景のきれいなホテルを取ったりして。

「開けていい?」

「ああ。クミが気にいればいいけど」

初めてのクリスマスプレゼントは、すごく迷ったけど、ピアス。

「わ、綺麗…」

「後で部屋で付けてあげるよ」

ホテルの最上階にあるレストランでディーナを楽しみ、部屋で朝までゆっくり過ごした。


年が明けてすぐ。

実家へ帰っていた岡島を迎えに、彼女の実家まで行った。

「ちょっと寄ってく?」

「え?」

多少は覚悟していたけど、いざ誘われると緊張してしまう。

手土産を持ってきてよかったとか、そんな事を考えながら初めて彼女の両親と対面。

「クミから聞いているよ」

やさしそうなお母さんとお父さんに迎えられ、新年のあいさつをするとお酒を勧められた。
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