同級生-Memories-
同棲生活
入社式が終わり、すぐに社会人生活がスタートした。

二人の職場は最寄駅から逆方向にあり、毎朝駅まで一緒に歩いて通勤した。

「じゃ、行ってくるね」

「ああ、気を付けて」

改札で別れてから会社へ行き、なれない研修や仕事を覚えて帰宅するとくたくた。

早く帰宅した方が夕飯を作ることになっていたけど、お互いほぼ交代で家事をこなしていた。

学生のころ、あんなに毎日遊んでバイトして過ごしていたのに、社会人になっただけでこんなに疲れるもの?

電車一本分早く帰宅した俺は、冷蔵庫にあるもので夕飯を作りながら疲れた体を動かして。

それでも、クミとの時間が疲れた俺を癒してくれていた。

仕事に慣れて来た夏ごろには、俺よりもクミの方が忙しくなり、帰宅時間は俺の方が早い日の方が多くて家事のほとんどを俺がこなしていた。

一人暮らしの経験もあったし、家事も嫌いじゃないので苦痛ではなかったけど。

一緒に暮らしているのに一人で取る夕食は寂しいもので、でも一緒に住んでいなかったら全く会えない日の方が多くなっていたなぁなんて一人の時間を持て余していた。

お盆には二人同じ日に夏休みを取得することが出来たので、久しぶりに帰省した。

クミの実家と俺の実家を行き来してあっという間に終わってしまった夏休みだったけど、社会人になって初めて貰ったボーナスでお互い親にプレゼントを買うこともできたし、なかなか楽しく過ごすことが出来た。
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