同級生-Memories-
お店について中に入ると、普通の居酒屋なのに貸し切りになっていて。

「え、あれ?」

店を間違えたのか、それとも日程を間違えたのか。

お店の中に入ってから戸惑う俺に、受付をしていたいつもの友人が笑いながら声をかけてくれて。

「なんだ、知らなかったのか?今日は結婚祝いパーティーだよ」

「は?誰の?」

店の奥の方へ視線を移すと、白いワンピースを着たクミが女の子たちと写真を撮ったりしている所だった。

…そうか、結婚、したんだ。

数ヶ月前に会ったときは、そんな事言っていなかったのに。

そうか、結婚するとも言っていなかったし、それ以外にも話をしていないんだった。

俺が避けていたのを、彼女も気が付いていたのかもしれない。

相手も一緒にいるのかと思い、店の中をきょろきょろしてしまう。

クミの隣にはそれらしい男性の姿はなく、少しだけホッとしてしまった。

「本当に知らなかったのか?まあいいや。会費よろしくー」

「…」

元夫に、前妻の再婚祝い?

なんだか憮然としながら会費を払い、立食パーティーになっているので適当に空いている窓際の椅子に座った。
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