同級生－Memories－
『帰っちゃったの？』

たったそれだけの短い文章。

思わずこぼれた涙に、まだクミのことが忘れられない自分の気持ちに気が付いてしまった。


他にもメールが来ていたけど、どれも同級生からのもので。

俺を心配しているメールばかりだったけど、とても返事を返すことなんてできなくて。

再び鳴りだした携帯の電源をそのままオフにして布団にもぐりこんだ。


目が覚めたのは、日がすっかり昇ってからで。

カーテンを閉めずに寝てしまったようで、まぶしい光にくらくらしてしまう。

今日が休日でよかった。

平日だったら、こんな状態で仕事へ行く気になんてなれなかったと思う。

だらだらと布団の上で寝返ったりしていても気分は晴れない。

仕方なく起き上がり、お湯を沸かしてインスタントコーヒーをいつもよりも濃いめに入れた。

苦い味が、口の中に広がる。

昨夜オフにしたままの携帯を取り出し、電源を入れる。

途端に受信した沢山のメールにうんざりしながら、タイトルだけチェックするとほとんどが同級生で。

その中に紛れているいくつかのクミからのメール。

どうしても見ることができそうになくて、勢いで全部消去してしまった。
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