同級生－Memories－
帰りの車の中で、外の景色を見ながらぼーっとしていると、赤信号で止まったジュンペイさんが私のことを覗き込んでいた。

「え？何？」

「…疲れたか？今夜は早く寝よう」

「…うん」

なんとなく気まずくて、そのまま黙っていると、ふわっと私の右手をジュンペイさんが握ってくれた。

いつもこうして彼は黙って私を受け入れてくれる。

私が何かを考えているときも、何も聞かずにこうして手を握ってくれた。

きっと、これからも彼はそうして私のそばにいてくれるんだと思う。


家に着いてから二人のものであふれかえったリビングで、お風呂の準備が出来るまでゆっくりして。

二人で一緒にお風呂に入り、少し早い時間だったけどベッドに横になった。

しばらく一緒にベッドの中で話をしていたジュンペイさんは、やることがあるからと私にお休みのキスをして寝室から出て行ってしまった。

一人ベッドに残された私は、ベッドサイドに置いてある携帯を取り友人から来ていた引っ越し祝いのメールを眺める。

『お幸せに』とか、『結婚おめでとう』とか、そんな内容ばかりのメールに「まだ結婚はしていないってば…」なんて独り言をつぶやきながら『ありがとう』と返信した。
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