同級生-Memories-
「窓辺がいいって言っていたよね」

こじんまりとした花がいくつか寄せ植えしてあるバスケットを、陽の差し込む窓際に置く。 

花があるだけで、部屋の雰囲気がぐんと明るくなった感じ。

「綺麗だよ」

いつまでも花を見ている私の後ろへ来て、そっと背中から抱いたかと思うと頬にキスをされた。

「ジュンペイさん…」

「花も綺麗だけど、クミも綺麗だ」

背中に感じる彼の温度。

頬に感じる彼の吐息。

すべてが熱くて、彼の私への想いがあふれ出しているよう。

それを受け止めきれていないのか、幸せを感じる前に胸が苦しくなってしまう。

「クミ…」

耳元でささやかれた私の名前に、彼の方を振り向こうとした瞬間、カウンターの上に置いてあった彼の仕事用の携帯が着信を告げた。
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