同級生-Memories-
外が少し暗くなってきたころ、アオイちゃんの携帯がなって。

「あ、ごめん。うん、え?ちょっとまってね」

電話の相手はたぶん旦那さん。

遅くまで突き合わせてしまって申し訳ないな、なんて思っていると、アオイちゃんが夕飯食べて帰れる?と聞いてきた。

「旦那がね、息子と二人でご飯済ませて帰るからゆっくりしてきていいよって」

「え、本当?」

私も慌てて携帯を見るけど、着信もメールもない。

きっと、立て込んでいるんだとわかる。

「じゃあ、どこかお店変えようか」

子供がいると入れないんだよね、なんていうアオイちゃんの希望で、少し静かな雰囲気のお店へ入ることにした。

確かに、小さな子供が一緒だと、ゆっくりお食事は難しいのかも。

結婚経験はあっても子供のいない私にはそんな事気が付きもしなかったけど、同じ年のアオイちゃんはもう2人目が生まれようとしている。

私も結婚したら、ジュンペイさんとの子供を産むんだろうか。

自分が子供を育てるなんて、想像もできない。
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