同級生－Memories－
引きこもりの日々
夏休み前に免許を取れた俺は、親父の車を借りて初めて彼女の家へ遊びに行った。

彼女の実家へは遊びに行ったことが合ったけど、一人暮らしの女性の家なんて初めてで。

とにかくすごく緊張したことははっきりと覚えている。

料理があまり得意じゃなかった彼女が、俺のために沢山の料理を作ってくれて、嬉しくて沢山抱きしめた。

夏休みに入り、バイトとサークル活動に忙しくなった俺は、お盆休みに帰省した彼女と数日デートしただけでほとんど合うこともなく夏が過ぎ去ってしまった。

夏休みにバイトを頑張ったおかげで、中古だけど狙っていた車を買うことが出来て、嬉しくて彼女に電話をした時のこと。

「…誰か一緒にいるの？」

『え？…うん。あのね…』

家にいると言う彼女だったけど、電話の向こうから聞こえて来たのは、男の声。

あたりまえだけど、俺以外のだれかが彼女の家にいるんだ。

「どういう、こと？」

いろんな思いが頭の中をめぐって、真っ白になってしまった。
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表紙・目次

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