同級生-Memories-
でも、どうして赤いの?

ジュンペイさんのことを思い出して赤いの?

それとも、私はまだヤスに何かを求めているんだろうか。

黙ってしまったヤスにどう声をかけたらいいか迷っていると、別の友人が私を呼びに来てくれて。

ヤスと挨拶を交わすこと無く、そのまま別れてしまった。

パーティーが始まりしばらくして店の中にヤスの姿を探すけど、どこにもなくて。

アオイちゃんに聞いたけど、彼女も気がつかないうちに消えてしまったらしい。

最後に挨拶くらいしたかったような気もするけど、これでよかったのかもしれない。

ヤスに「おめでとう」って言われたかった気もするけど、聞きたくなかった気もする。

自分の気持ちなのに、ジュンペイさんと一緒にいることを選んだのに、私はやっぱりずるいんだ。

沢山の仲間に祝福されたパーティーは楽しくて、終わりがけに出張先からそのまま私を迎えに来てくれたジュンペイさんを皆に紹介することができた。

2次会へ行くメンバーと別れ、私はジュンペイさんと帰ることに。

「もう少し楽しんでくればいいのに」

「うん、楽しかったけどちょっと疲れちゃった」

パーティーはとても楽しくて、最後にジュンペイさんが来てくれてすごく盛り上がった。

でも、ヤスのことで気持ちが疲れてしまっていて、早くベッドで横になりたい。

「そうか。素敵な仲間がたくさんいて幸せだな」

「…うん。幸せだね」

二人で並んで歩く空は、星がとてもきれいで。

これからもずっと、こうして一緒に歩いて行くんだと思うと、少しだけ涙がこぼれた。
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