同級生－Memories－

そんな毎日が過ぎていき、春が来て。

新人が入ってこればその教育に追われながら日常業務をこなし。

「飲みに行きましょうよ！」

「またか？お前、子供沢山いるんだから早く家に帰れよ」

毎週のように飲みに誘ってくる後輩に、悪い気はしないけど子供3人を世話している奥さんになんだか申し訳なくて断るようにしている。

「そう言って先月は一度も付き合ってくれなかったですよね！今日は嫁の許可も取ってきたから行きますよ！」

「…まあ、じゃあ行くかぁ」

ずっと断ってばかりも申し訳ないのと、たまには俺も飲みに行きたいのとで今夜は久々に出かけることにした。

仕事が終わってから二人で歩いて近くの居酒屋へ。

話すことは仕事のことから後輩の家族のこと。

「で、飛田さんは彼女作らないんですか」

…お酒が進むと、必ず出てくるこの話題。

「まあ、出会いもないしな」

職場には若い女の子はいないし、コンパなどの飲み会には出かけない。

同窓会ですら行かなくなってしまった俺に、出会いなどあるはずもなく。

「新入社員に若い子いたじゃないですか」

「…若すぎだろ」