同級生-Memories-
週末は家の片づけと買いだし以外は溜まったビデオを見て過ごし、あっという間に終わってしまった。

基本的にいつもこんな感じの週末で、時々同窓会の誘いが来る。

あれ以来、ほとんど同窓会には顔を出していない俺だけど、まめに連絡をくれる幹事には感謝している。

「飛田さん、これ出来上がりました」

「ああ、ありがとう」

にっこり笑う新人の山口佐智子さん。

要領がいいようで、仕事を頼むと初めてのことでもきちんとこなしてくれた。

同じ部署でもあまり絡むことはないけど、たまにこうして仕事を頼むように上司に言われていた。

新人の教育は今までにもやってきたことなので大変だとは思わないけど、俺の知る限りで若い女の子が入社してきたのは本当に久しぶりで、正直どうしたらいいのかわからない。

それに関しては俺だけじゃなくて、会社全体が新人の若い女の子たちに浮足立っている感じだった。

「あの、次は何をやればいいでしょうか。他の作業もすべて終わりました」

「全部終わったの?早いなぁ。じゃあ、これわかる?」

「あ、昨日課長に教えていただきました」

覚えがいい新人を教えるのは、教える側としてはとても楽なことで。

「じゃあ、急ぎじゃないから途中でも定時で上がっていいからね」

「はい、わかりました」

にっこりと笑う笑顔は、俺の知っているいまどきの若いことは違ってとても素直そうで。

こびる感じもなく、きっと彼女はいつも心から笑顔でいるんだと思える。
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