同級生-Memories-
でも、私よりも年上なのは間違いなくて、きっと私のことなんて女として意識してくれないんだろうな。

「じゃあ、俺からの作業はもうないから、あいつに次の作業聞いて」

「はい、わかりました」

もう少しだけ、しゃべってみたいな…なんて思いながら、仕事中に話すことは他に何もなくて。

学生のころはもっと自分から話しかけたり出来たのに、やはり社会人と学生はかなり違うんだと実感。

「佐智子、仕事なれた?」

「うん、まあまあ、かな」

お昼休みに話す内容も、仕事のことがメインで。

でも、同年代の女の子が集まると、恋の話も出てきたりする。

「誰か良い人いた?」

「え、居ないよ。若い独身居ないし」

「確かに!」

他の人に聞こえないように、少しだけ小声になる、男の人の話。

「まあ、社内恋愛は難しいかもねぇ」

「あ、じゃあさ、合コンしようよ、誰か居ないの?」

毎日、似たような会話の繰り返し。

もう少し毎日の生活に余裕が出来たら、皆で飲みに行こう、なんて盛り上がってお昼休みが終了していく。
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