同級生-Memories-
慌ててトイレへ向かい、鏡で自分の顔を確認した。

「び、びっくりした」

今まで感じていたのは、飛田さんからの視線なんだろうか?

でも、私と目があっても慌てる感じでもなかったから、やはり気のせいだったのかも。

少しだけ赤くなった頬に手を当て、深呼吸する。

きっと、気のせい。

自分にそう言い聞かせ、席へ戻ると上司が新しい仕事を持って待っていた。

「あ、すみません!」

「ああ、いいよ慌てなくて。今のが終わったらこれよろしく」

「はい!」

今日も定時までの仕事は出来た。

もう背中に感じる視線を気にするのはやめよう。

与えられた仕事でいっぱいいっぱいのはず。

もっと頑張れ、私!

*佐智子end*
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