脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
「……もちろん、アタシのこの姿のことよ。認めてもらいたいの」
オネエマンが言うと、
「認めるわけがないだろう。お前をオンナとして育てた覚えはない」
ギロリとにらんだお父さんは、
「おかしいとは思わないのか、そんな格好をした自分を。
そんな格好で働くような場所で働いている自分を。
そもそもどうしてこんなことになったんだ」
低い声を吐き出した。
「上京してからだろう。何に影響されたんだ。
おかしな仲間と付き合ってるからじゃないのか」
次第に高まってくる感情を、意識して押さえてる感じだ。
「おかしいとは思わないわ。この格好も、自分の仕事も。
職場の仲間だってイイ人ばかりよ。
みんなアタシと同じ思いを抱いている人間だからね」
言葉を区切ったオネエマンは、
「おかしいと思ったのは自分の性別のほうよ。
それを感じたのは上京してきてからじゃないわ。
もうずっと昔よ」
うつむいてこぶしを握った。
「すごく悩んだわ。
どうしてアタシはオトコの姿で生まれてきたんだろうって。
どうしてオンナじゃないのかしらって。
そのことで、誰を責めることもできなかったから余計に辛かった」
声をつまらせたオネエマンの背中を、
流川が軽く叩いた。