脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
「……ふん」
腕を組んだままのお父さんが、鼻先で短いため息をつく。
「仮にそうだとしても、お前がオトコとして生まれてきたのは変えられない事実だろう。
それに逆らうような生き方をしてどうする。
生んでくれた母さんに申し訳ないとは思わないのか」
お父さんがそう言うと、
目を充血させたお母さんが顔を上げた。
ハンカチをぎゅっと握りしめている。
「……申し訳ないって思ってるわ。
だから高校を卒業してこっちに出てきたのよ。
目の前で、こういう格好をしていたらイヤでしょう?
アタシはオンナとして生きていこうと……」
「ふざけたことを言うな!」
オネエマンが話し終わらないうちにテーブルをバンッと叩いたお父さんが大声を出した。
「お前はオトコなんだ! その格好もその話し方もなんとかしろ!」
私と香穂ちゃんは驚いて固まってしまって。
お母さんは今にも泣き出しそうな顔でオロオロしている。
オネエマンは口をつぐみ、
それ以上の言葉を出せないようだった。