脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
「イソウロウもどきが部屋に頻繁に来てるんだって?
唯衣は疲れてるからだって言ってたけどな。
でも、理由は他にあんだろ?」
「いや……別に話すようなことでもねーし、オレが自分で解決すればいい問題だから」
「そっか」
「ああ」
話しているうちに、駅についた。
伸びたオンナを背負ったオレに、周りの視線がからみつく。
……ったく。
何度オレに駅で恥ずかしい思いをさせれば気が済むんだ、この酔っ払いが。
「大丈夫か? 唯衣、背負ったままで」
「……これじゃ電車はムリだな。てかもう終電行っちまったろ」
仕方ない。
タクシー使うしかねぇな。
「もうオレのところに一人で来させるなよ? また真波と宴会になったらしんどいから」
閉まりかけたドアの向こうで要が笑う。
行かせねーし。
口には出さず、鼻で笑ってうなずいてやった。
しかし酒臭ぇな、コイツ。
どんだけ飲んだんだよ。
「……オレの目の届かない所で、バカなことすんな」
脱力しきったカラダは、ずいぶんと冷えている。
冷たい手を握ってやった。
夜間飛行の翼が滲んでいる、窓の外を眺めながら。