脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+

「光太くん……気持ちはありがたいんだけどさ、もう、ホントにいいから。大丈夫だから。ね?」


「でもっ」


「私さ、ちょっと寝たいんだよね……」


「……はい」



無理やり起こしたカラダで、光太くんの背中を押して玄関へむかった。



「ひとりで大丈夫ですか? ホントに」


「うん。平気」


「ジュース、飲んでくださいね」


「……う、ん」



扉を開けようとした光太くんに、引きつった笑いで手を上げた。


バイバイ、と手を振ろうとしたとき、



「あ、あれ……?」


「あっ、唯衣さんっ!」



カラダがふらっと傾いて、


壁に肩をぶつけた私は、へなへなと膝から崩れ落ちた。



「全然大丈夫なんかじゃないですかっ。唯衣さん、立てますか?」


「……うん。ごめん」


「なんで急に熱なんて出ちゃったんですか。それに……来たときから思ってたんですけど、唯衣さん、目、赤いし腫れてますよね? 熱のせいだけじゃないですよね?」


「……熱のせいだよ」


「……流川さんと、何かあったんですか?」


「……」


「そうなんでしょ?」



光太くんは、私の顔をのぞき込んだ。



「唯衣さん。話してください」



ぶんぶんと首を振ると、



「聞きますから。ね?」



優しい声でうながされて。



近くもない、遠くもない、


そういう存在の光太くんだから安心したのかな。



「あのね……昨日ね……」



座り込んだヒザを抱えて、


私は口を開いた。


< 169 / 404 >

この作品をシェア

pagetop