脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
「光太くん……気持ちはありがたいんだけどさ、もう、ホントにいいから。大丈夫だから。ね?」
「でもっ」
「私さ、ちょっと寝たいんだよね……」
「……はい」
無理やり起こしたカラダで、光太くんの背中を押して玄関へむかった。
「ひとりで大丈夫ですか? ホントに」
「うん。平気」
「ジュース、飲んでくださいね」
「……う、ん」
扉を開けようとした光太くんに、引きつった笑いで手を上げた。
バイバイ、と手を振ろうとしたとき、
「あ、あれ……?」
「あっ、唯衣さんっ!」
カラダがふらっと傾いて、
壁に肩をぶつけた私は、へなへなと膝から崩れ落ちた。
「全然大丈夫なんかじゃないですかっ。唯衣さん、立てますか?」
「……うん。ごめん」
「なんで急に熱なんて出ちゃったんですか。それに……来たときから思ってたんですけど、唯衣さん、目、赤いし腫れてますよね? 熱のせいだけじゃないですよね?」
「……熱のせいだよ」
「……流川さんと、何かあったんですか?」
「……」
「そうなんでしょ?」
光太くんは、私の顔をのぞき込んだ。
「唯衣さん。話してください」
ぶんぶんと首を振ると、
「聞きますから。ね?」
優しい声でうながされて。
近くもない、遠くもない、
そういう存在の光太くんだから安心したのかな。
「あのね……昨日ね……」
座り込んだヒザを抱えて、
私は口を開いた。