脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+

「唯衣さん……」



涙の滲んだ私の手をとった光太くんは、



「泣かないでください」



切ない笑顔を私にむけて、



「すみません、唯衣さん」



ぎこちない仕草で、涙をぬぐってくれた。



「オレ、ずうずうしかったですね」


「……え？」



光太くんは、泣きそうな顔で笑っている。



「流川さん、オレがここに来てもスゴく怒るわけでもなかったし、まあいっかみたいな感じで通っちゃってたんですけど」


「……」


「唯衣さんにも会いたいし、顔が見たいし、声が聞きたいし」


「……光太くん」


「でも、唯衣さんはオレが思ってる以上に流川さんのことが好きなんですね」


「……」


「こういうふうになっちゃったのも、オレにも一因があるかもしれないですよね」



へへっと笑った光太くんは、



「唯衣さんをこんなふうに泣かせる流川さんは許せないけど、唯衣さんを困らせるようなことはしたくないです、オレ」


「光太くん……」


「あきらめます、……ては言えないけど……ガマンします」



真剣な顔になってから、



「でも、唯衣さん以上に好きになれる人が現れるまで、好きでいてもいいですか？」



柔らかくほほ笑んだ。