脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
「流川……」
今の状況にはっと気づいた私は、あせった。
倒れかけたカラダは、完全に光太くんの腕の中にある。
手のひらでその胸を押して離れようとしたけれど、
背中に回っている腕にチカラが込められたのがわかって。
驚いた私は、光太くんの顔を見上げた。
その顔は、じっと流川を見ている。
「……なにしてんだよ」
やがて流川が声を出すと、
「おかえりなさい」
私を抱えたままで光太くんは言った。
「お前、なにしてんだ」
「すみません、おじゃましてました」
「勝手に上がり込んで、なにしてんだよ」
「唯衣さんが上げてくれたんです」
「は?」
「別に何もしてませんから。安心してください」
「……何もって」
流川の視線が私に向いて。
目をそらすことも言葉を出すことも出来ない私の耳に、
自分の心臓の音だけが異常なくらい響いていた。