脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
……何か言わないと。
あせるのに、乾いた唇からは声が出なくて。
「唯衣さん、熱があるんです」
代わりに口を開いた光太くんは、
「一緒にいるのに、気づかなかったんですか?」
いつもよりもワントーン低い声を出して、さらに続けた。
「彼氏失格ですね」
「は?」
「メシも食わないでフラフラでいたんですよ、ひとりで。泣きはらした顔で。放っておけないじゃないですか」
「……だからって、なんでお前がここにいるんだよ。しかも何なんだ、その状況は」
流川の眉間にしわが寄っている。
「流川さん」
「何だよ」
「流川さんが唯衣さんのことをこんなふうにしちゃうなら、オレがもらっちゃいますよ?」
「は?」
光太くんの腕に、ますますチカラが込められて。
寒気とこの状況に、私のひざはカクカクと震えた。
「お前な……」
踏み出した流川の足が玄関に上がると、
「放っておけばいいじゃないですか。流川さん」
その後ろから、香穂ちゃんの声が聞こえた。