脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
「別に流川さんじゃなくてもいいんじゃないですか? 唯衣さんは。
ね、流川さん。そう思うでしょう?」
眉間にしわを寄せたままで、流川は香穂ちゃんの顔を見下ろしている。
「光太くんもこう言ってるし。それでいいじゃないですか」
流川の腕を取った香穂ちゃんは、
「流川さん、一緒に来てもらえませんか? あたし、行きたいところがあるんです」
その腕を引き寄せて、
「今唯衣さんは、流川さんよりも光太くんに頼ってるんですよ。行きましょう、ね?」
ぐいっと引っ張った。
流川の足が、後ろに下がる。
ノブを握ったまま私をじっと見ていた流川だったけれど、
私の口が動かないを見ると、そのまま手を離した。
――パタン、とドアが閉まる。
震えが止まらない。
頭が重い。
胸が……痛い。
――ダメかもしれない。
そう思ったとき、もう、私の足には全くチカラが入らなかった。