脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
あの日、玄関先で倒れた私は、光太くんに病院へ運ばれて。
解熱剤を打たれて、点滴を受けて、最悪の体調からは何とか回復して。
それでも3日間寝込んだ私は、部屋にこもりっぱなしだった。
「大丈夫なのか?」
――こくん。
「今夜、バイトだから。何かあったら電話しろよ」
――こくん。
「メシ。作っといたから食えよ」
――こくん。
その間、うなずくことはしたけれど、流川とは一言も口をきかなかった。
一度そういう態度をとってしまうと、
普通に接するのが難しくなっちゃって。
っていうか、
これまで流川とどんなふうに会話してたのかも忘れちゃってて。
そもそも、どうしてこんな状況になっているのかさえも、何だか分からなくなっていた。
香穂ちゃんに、挑戦状を叩きつけられたみたいになったんだっけ?
もしかしたらもう、私と流川ってコイビト同士って言えないのかな?
なのに私、どうしてここにいるんだろ?
流川のこと無視して、何してるんだろ?
こうやって一緒にいれば、いつか元通りに戻るのかな。
それとも、自然消滅ってことになっちゃうのかな。
どう転がってもたぶん、いい方向には進まないと思う。
付き合ってても、別れても、溝ができたままなんだろうな。