脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
「あたし、引きませんよ?」
その顔も、ちょっと赤くなっている。
けど、きっぱりとそう言った香穂ちゃんは、
「障害があれば余計に燃えるタイプなんです、あたし」
「……」
「唯衣さんがまた誰でもいいようなそぶりを見せたら、その時は容赦しませんから」
「……そ、そんな」
「自信ないんですか?」
上目づかいでぐっと睨んでいる。
う……。
その目、アイシャドーがたっぷり乗った誰かに似てる……。
「流川は渡さないもんっ」
言い返すと、
「恋愛は自由ですから」
「う……」
それも、誰かとそっくり。
「何かでも、今は入り込む隙間なさそうだし。あたし、面倒なことはしたくないんです」
「……」
「壊れそうになったらまたおじゃましますけど」
「ひっ……」
「あたしがそれまで誰も好きにならなかったら、流川さんのこと、今度はもらいますからね」
「ひぃ……」
「行こう。光太くん。こんなバカップル放っといて」
つかつかと玄関に向かう香穂ちゃん。
「あ、あの。おじゃましました」
それを追う光太くん。
足音が消えて静かになると、
「ったく。お前ひとりでも手がかかるのに、色々考えて手を打つのも大変だわ」
私の頭をぽんと叩いた流川が笑った。
その顔を見てたら、なんだかチカラが抜けちゃって。
「流川……」
「ん?」
きゅっとしがみつくと、
「……ありがとう」
自然とその言葉が出てきた。
「ん」
そんな私のカラダを、なんだかんだ言っても優しく包んでくれる……、
大好きなこの人のそばにずっといたい、そう思った。