脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
「それにしてもお腹へったなー」
「もうすぐ夕飯時だからね。帰ったら祐二くんと一緒に食べればいいじゃん」
「アイツ今日遅くなるんだって」
「ふーん。あ、冷蔵庫の中身はダメだからね。あれは、」
「流川直人とアンタのでしょ? さっき聞いたって。あ、軽くピザとか頼まない?」
「私はいいよ。流川が帰ってきたら食べるから」
「え~、いいじゃん。おごるから。あまったらさ、あげるから」
私の返事も待たず、立ちあがった麻紀は辺りを見渡した。
「ねー、電話帳とかないの?」
「電話帳? あったかな? 家電使ってないし分かんない」
「あ、あった」
電話機にちかずいた麻紀は。
「ん?」
なにやら発見した模様。
「どうしたの?」
「あやしい番号発見」
「は?」
「これ。メモ用紙の下にあった」
「?」
近づいて、麻紀の持ってるメモ用紙を確認すると、
見覚えのないケータイ番号が書かれてあった。
「あやしくない?」
「なんで?」
「だって、隠すみたいにして置いてあったんだよ?」
「……勘ぐりすぎでしょ。たまたまそこに挟まってたってだけで」
「しかもさ、ほら」
麻紀の親指の下から出てきたのは。
「名前付きだし」
「……理恵子、さん?」
「これ、誰の字?」
「流川の字」
「あやしいね」
「……」
楽しみ始めてる麻紀の顔を見てむっとしたけれど、
それが流川のメモだと思うと、確かに気になる。